服作りは、どこにでも任せないでください。
私は文化服装学院を卒業し、
日本向けアパレルの製造・輸出を専門とする会社で仕事を始めました。
最初は大量生産をメインに、
その後は小ロット生産と大量生産の両方を手掛けてきました。
服作りは、「どこで作っても同じ」と思われがちです。
大量生産と小ロット生産では、やり方がまったく違います。
アパレル製造業界を大きく分けると、
・国内ブランド向け
・輸出ブランド向け
・卸向け
に分かれます。
国内ブランド向けや輸出ブランド向けの商品は、
人件費の関係で、多くが東南アジアや中国で生産されています。
1型あたり数千枚〜数万枚規模の大量生産は東南アジア、
それ以下の数量は中国、というケースが多いです。
こういったブランド商品は、
規模の大きい工場でライン生産されます。
ライン生産とは、
大きな縫製工場で使われる生産方法で、
服1着を複数の工程に分けて作業を単純化し、
設備や人員を効率よく並べて生産する方法です。
この方法のメリットは、
熟練の職人でなくても安定して縫製できること。
さらに、同じ工程を繰り返すことで、
日ごとにスピードが上がり、
結果として加工賃を大きく下げることができます。

(中国威海縫製工場のライン生産の様子)
ただし、小ロット生産はこういった工場には向きません。
多くても数百枚程度なので、
ライン効率が上がる前に生産が終わってしまい、
加工賃も高くなりやすいです。
そのため、中小ロットは
比較的小規模な工場で、
熟練工を中心に、柔軟に工程を組んで生産する方が効率的です。

卸向けアパレルの場合、
ネットで検索するとOEM会社や工場がたくさん出てきます。
価格重視の商品なら悪くない選択肢かもしれません。
ただ、品質にこだわる場合は慎重に選んだ方がいいです。
卸向け工場は、
とにかくスピード重視で縫製することが多いです。
そのため、縫製が粗くなり、
シルエットがきれいに出なかったり、
不良率が上がることもあります。
中小ロット生産で
「安さ」を強くアピールするところは、
一度慎重に見極めた方がいいかもしれません。
縫製品質が高い工場は、
条件が厳しくても、品質の高い商品を作ることができます。
でも、品質が低い工場は、
いくらお金をかけても限界があります。

(中国広州縫製工場の様子)
まとめると…
百貨店に並ぶような品質を目指す方もいれば、
学生向けの手頃な商品を作りたい方もいます。
大事なのは、
「とにかく安い」ではなく、
ブランドの方向性や商品の目的に合った工場を選ぶこと。
私たちは日本ブランド基準の品質で、
中小ロット生産に最適な方法をご提案しています。
アパレル生産、価格だけで決めないでください。
ブランドに合ったものづくりが、長く愛されるブランドを育てます。