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同じ生地、同じカラーなのに色が違う?生地の「ロット差」について

同じカラーでも微妙な色差があるチェック柄の生地スワッチ

前回作った商品と同じ生地、同じカラーを使ったはずなのに、

「今回の生地、前回と少し色が違うような……?」

そんなことがあります。

同じ品番・同じカラーの生地でも、生産したタイミングによって、微妙な色差が出ることがあります。

アパレル生産では決して珍しいことではありません。

今回は、そんな生地の「ロット差」について、実際の生産現場ではどのように管理しているのかも含めてご紹介します。

そもそも生地の「ロット」って何?

生地を同じタイミングで染色・生産した単位を「ロット」と呼びます。

同じ品番、同じカラーであっても、すべての生地が必ず同じタイミングで染められているわけではありません。

特に生産数量が多く、複数のロットに分かれて染色する場合には、ロットごとに微妙な色差が出ることがあります。

 

なぜ同じカラーなのに色が違うの?

同じカラーでもロットによって色差がある生地の比較

同じ品番・同じカラーでも、生産ロットが変わると微妙な色差が出ることがあります。

 

生地を染める染色機には、一度に染められる量に限りがあります。

そのため、一台の染色機で染められる量を超える場合には、複数回に分けたり、複数の染色機を使ったりして染色します。

「同じ条件で染めれば、同じ色になるんじゃないの?」

と思うかもしれません。

ところが、同じタイミングで同じ条件に合わせて染色しても、まったく同じ色に仕上げるのは意外と難しいものです。

 

同じ染色機を使って繰り返し染めた場合でも、微妙な色差が出ることがあります。

こうして生まれる色の違いが、いわゆる「ロット差」です。

生産現場では、

「このカラーは2ロットあります」

「この色は3ロットに分かれています」

といった言い方をします。

少量生産でもロット差は起こる?

ロット差が起こるのは、大量生産だけではありません。

市場にある在庫生地を購入して、小ロットで商品を作る場合にも起こることがあります。

生地市場に保管されているさまざまな種類の生地ロール

市場にはさまざまな種類・カラーの生地が在庫として保管されています。

たとえば500枚の商品を作るために生地を購入したものの、途中で生地が足りなくなって追加発注することになったとします。

その時、最初に購入したものと同じロットの在庫が残っていれば問題ありません。

しかし、すでに同じロットの在庫がなく、別のロットしか残っていない場合には、最初に入荷した生地と追加で入荷した生地で微妙な色差が出ることがあります。

つまり、生産数量が多い・少ないに関係なく、同じカラーでもロットが変われば色差が出る可能性があるということです。

1つのカラーに2つのロットが入ったらどうする?

では、実際の生産で同じカラーの生地が2ロットに分かれて入荷した場合、どうするのでしょうか?

一般的な輸出向けアパレル生産では、

可能であれば一つのカラーを同じロットで揃えるようにします。

ただ、生産数量や生地の状況によっては、

どうしても複数のロットになってしまうことがあります。

その場合は、生地の梱包にロットを表示して、

工場で簡単に区別できるようにしてから縫製工場へ入荷します。

 

たとえばREDというカラーが2ロットに分かれている場合なら、

RED LOT AとRED LOT Bに分けて管理された生地ロール

同じカラーでもロットが異なる場合は、LOT A・LOT Bのように分けて管理します。

 

RED LOT A
RED LOT B

というように分けて管理します。

裁断するときもロットごとに分けて管理

工場に入荷した生地は、ロットを確認してから裁断します。

RED LOT AとRED LOT Bがあるのであれば、それぞれを分けて裁断し、裁断したパーツも混ざらないように管理します。

 

せっかく生地をロットごとに分けていても、裁断後にLOT AとLOT Bのパーツが混ざってしまったら意味がありません。

そのため、裁断だけでなく、その後の縫製工程でも別のロットが混ざらないように管理することが大切です。

 

意外と注意が必要なのが「部分使い」の生地

ここでもう一つ、意外と大切なのがバインダーなど、洋服の一部分だけに使う生地です。

身頃などのメインパーツはロットごとにきちんと分けて裁断していても、

バインダー用の生地を十分に確保していないと、後から足りなくなることがあります。

そこで不足分だけ追加発注してしまうと、同じロットの生地が残っていないこともあります。

そうすると、

身頃は同じ色なのに、バインダー部分だけ微妙に色が違う

ということが起こってしまいます。

 

せっかく本体をきれいにロット管理して生産しても、最後に付けた一部分の色が違うだけで、

そのカラー全体の問題になってしまうこともあります。

そのため、バインダーなど部分的に使用する生地についても、必要な数量をあらかじめ確保し、

できるだけ早い段階でロットごとに分けて裁断しておくことが基本です。

生地のロット差は「なくす」より「管理する」

同じ品番、同じカラーだからといって、いつ生産してもまったく同じ色になるとは限りません。

生地の色差を完全になくすことは難しいですが、大切なのはロットをきちんと確認し、裁断や縫製の段階で違うロットが混ざらないように管理することです。

そうすることで、商品になった時の色の違和感をできるだけ少なくすることができます。

アパレル生産では、こうしたちょっとした確認や管理も、商品の仕上がりを安定させるための大切なポイントです。